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運行管理者補助者の選任について

般貨物自動車運送事業者は営業所ごとに運行管理者を選任しなければなりませんが
運行管理者が1人のみでは体調が悪い時などに休む事が出来なくなってしまいますので、
現実的ではありません。
そこで重要になって来るのが“運行管理者補助者”です。

運行管理補助者選任の根拠規定は“貨物自動車運送事業輸送安全規則”に定められています。

貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条第3項
一般貨物自動車運送事業者等は、運行管理者資格者証(以下「資格者証」という。)若しくは道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二十三条の二第一項に規定する運行管理者資格者証を有する者又は国土交通大臣が告示で定める運行の管理に関する講習(以下単に「講習」という。)であって次項において準用する第十二条の二及び第十二条の三の規定により国土交通大臣の認定を受けたものを修了した者のうちから、運行管理者の業務を補助させるための者(以下「補助者」という。)を選任することができる。

運行管理者補助者の資格要件は下記のいずれかとなります。

・運行管理者資格者証を有していること

・運行管理者基礎講習を受講していること

運行管理者補助者は運行管理者の代行が出来るイメージがありますが、実はそうではありません。

“貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について”に以下の規定があります。

補助者は、運行管理者の履行補助を行う者であって、代理業務を行える者ではない。
ただし、第7条の点呼に関する業務については、その一部を補助者が行うことができ
るものとする。

運行管理補助者はあくまで運行管理者の手助けをする存在であって、代行者にはなれないということになります。
だだし点呼に関する業務については単独でその一部を行うことができるのです。

“その一部”に関しても同様に規定があります。

第18条第3項の規定により補助者を選任し、点呼の一部を行わせる場合であっても、
当該営業所において選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき総回数の少なくとも
3分の1以上でなければならない。

運行管理者が行う点呼が総回数の少なくとも3分の1以上ということは、
運行管理者が単独で行える点呼は総回数の3分の2未満となります。

3分の2未満の点呼を行えるといっても、点呼の結果が一定の要件にあてはまる場合には
運行管理者に運行の可否の決定の指示を仰がねばなりません。

こちらも“貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について”に以下の規定があります。

補助者が行う補助業務は、運行管理者の指導及び監督のもと行われるものであり、
補助者が行うその業務において、以下に該当するおそれがあることが確認された場合には、
直ちに運行管理者に報告を行い、運行の可否の決定等について指示を仰ぎ、
その結果に基づき各運転者に対し指示を行わなければならない。
イ.運転者が酒気を帯びている

ロ.疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができない

ハ.無免許運転、大型自動車等無資格運転

ニ.過積載運行

ホ.最高速度違反行為

点呼の結果、運転者にイ・ロのおそれが認められた場合は、運行管理者補助者は
運行の可否の決定をすることが出来ません。
運行管理者が運行の可否の決定を行う必要があるのです。
運行管理者補助者が点呼を実施する場合でも、運行管理者と確実に連絡が取れる体制を
確保しておかなければなりません。

運行管理者補助者は運行管理者の代行者ではないことを理解した上で選任して下さい。
選任した場合は、運行管理規程の改訂も忘れないようにして下さい。
なお、選任に関して一般貨物自動車運送事業者の場合は運輸支局への届出は必要ありません。

“貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について”より

補助者を選任する場合には、補助者の選任方法及び職務並びに遵守事項等について
明記しておくこと。

トラック協会が配布している運行管理規程には補助者に関する規定がありますので、
この運行管理規程を使用されている事業者様が行う改訂は体制表に運行管理補助者の氏名を記載する事になります。

運行管理補助者は他営業所の補助者も兼務できますので、運行管理を円滑に行うためには重要な存在ですので、
この制度を活用していきましょう。

>運行管理者補助者選任時の注意点もご覧下さい。

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