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睡眠時無呼吸症候群(SAS)への対策


睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に頻繁に呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態(睡眠呼吸障害)が繰り返されるために、質の良い睡眠が取れず、日中に強い眠気や疲労等の自覚症状を伴う病気です。
SAS患者は、居眠り運転を起こす危険性がある上、治療をせずに放置すると命にかかわる合併症(高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞等)を引き起こすおそれもあります。これらの疾病は、運転中の突然死にも繋がる健康起因事故の主原因でもあります。
この病気は貨物自動車運送事業者にとっても大きなリスクとなりうる病気です。

国土交通省の自動車事故報告書等の取扱要領においても自動車事故報告書の「推定原因」に事故の原因として疑われる疾病名を明記し報告するように規定されています。

自動車事故報告書等の取扱要領 より

11 運転者の健康状態に起因する事故
規則第2条第9号に該当する事故が発生した場合には、別表2に掲げる調査事項を調査のうえ提出させるよう事業者等を指導すること。また、「推定原因」に事故の原因として疑われる疾病名を明記させるように指導すること。
ただし、脳疾患、心臓疾患及び意識喪失に起因すると思われる事故が発生した場合には、規則第4条第1項の規定に準じ、速報させるよう事業者等を指導すること。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる居眠り運転、漫然運転を伴う事故においては、規則第2条第9号に該当する事故として報告させるよう事業者等を指導すること。「睡眠時無呼吸症候群が疑われる」とは、過去に同疾病と診断されたことがあり治っていないもの、又は「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」(平成27年8月国土交通省自動車局)に記載のSASの症状があるものをいう。

SASは簡単なスクリーニング検査で早期発見することができますのでトラック協会の助成金制度等を利用して運転者にスクリーニング検査を受診させることをお勧めします。
仮にSASと診断されたとしても適切な治療を行えば通常通り運転者として事業用自動車に乗務することができます。
SASであることを把握できずに健康起因事故を発生させた後では取返しがつきません。

これを機に検査の受診を検討されてみてはどうでしょうか?

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