ブログ

役員・事業主を運転者に選任する場合について

一般貨物自動車運送事業(運送業)を営むにあたり、
役員(取締役)自らが運転者として事業用自動車のハンドルを握っている事業者様も多いと思います。

役員は労働者ではありません、従って労働基準法は適用されません。
それでは役員が運転者の場合の拘束時間等はどうなるのでしょうか?

結論から申し上げますと、役員・労働者を問わず“事業用自動車の運転者としては
“自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)”に従わなければなりません。

“貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について”において下記のように規定されています。

事業者が運転者(個人事業主、同居の親族及び法人の業務を執行する役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下「事業主等」という。)が運転する場合には、当該者も含む。)の勤務時間及び乗務時間を定める時の具体的基準は、「貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準」(平成13年国土交通省告示第1365号。以下「勤務時間等基準告示」という。)のほか、「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の特例について」(平成元年3月1日付け基発第92号。以下「特例通達」という。)及び「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(平成元年3月1日付け基発第93号)とする。なお、事業主等が運転者として選任される場合の拘束時間は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号。以下「改善基準告示」という。)で定める労使協定の締結を行っている場合にあっては、当該労使協定により延長することができる範囲を超えないものとすることとする。

役員であるからといって、運転時間・拘束時間等を無制限にしてしまうと、
疲労等を原因とする事故に繋がる可能性が非常に高くなります。
交通事故の被害者にとって加害者が役員・労働者の違いは関係ありません。
運転者としては役員・労働者の垣根は無いことになります。

“自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)”は役員法令試験の出題範囲法令ですので、
これから許可・認可申請をされる方は、しっかりと押さえておいて下さい。

運送業の許可申請・認可申請・届出・法令試験対策・巡回指導、監査対応は
水澤行政書士事務所にご相談下さい!

各種指定申請や許認可、法人設立後の事などご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

関連記事

令和5年1月19日実施分 法令試験について(1)

続きを読む

運行管理者資格者証の返納命令処分について

続きを読む

乗務員(運転者)への指導教育について(7)

続きを読む