ブログ

事業用自動車(緑ナンバー)の自家用使用について

1.事業用自動車を自家用使用(営業・集金等)に使用して良いのか?
2.使用して良いのなら点呼を実施する必要があるのか?

この2点の質問をよく頂きます。

1の事業用自動車の自家用使用は問題ありません。
2の点呼の実施ですが、運送に該当しませんので実施の義務はありませんが、
九州運輸局は自家用使用の場合、点呼実施の法的義務は無いが出来るなら点呼は実施して欲しいとの見解です。

私も顧問先様からこの質問を頂いた時は九州運輸局と同じ見解をお答えしています。
理由は、もし事故が起こってしまった時に事業者様を守る為です。

事故は起きてはならない事ですが、絶対は有りません。
不幸にして事故を起こしてしまったとします。
当事者である運転者の体調に起因する事故が起こった場合、
そのような状態で運転させた使用者の責任を問われる事もあるからです
更に別記事:108条通報についてにおいて解説した事故であった場合は、自家用使用であろうとも監査が実施される
可能性が高くなります。

点呼を実施していれば監査の際に、事業者としての安全管理義務は果たしている証明になります。
もし点呼を実施していなければ、使用者として安全管理を怠っていたと判断されても仕方ありません。

点呼を実施した方が良い理由はもう一つあります。
それは令和4年4月1日より施行された改正道路交通法施行規則で白ナンバーの運転者に対してもアルコールチェックが義務化された事です。

道路交通法施行規則第9条4項(安全運転管理者の業務)
運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国家公安委員会が定めるものをいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。

“アルコール検知器を用いて確認を行うこと。”の規定の施工は延期されており、
この記事を掲載した時点では目視による確認のみが義務付けられています。

安全運転管理者の選任義務について一般貨物自動車運送事業者(運送業者)は
除外規定がありますので選任する必要はありません。
要は安全運転管理者の業務は運行管理者が行うという事になります。

道路交通法74条の3(安全運転管理者等)
自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者及び道路運送法第七十九条の規定による登録を受けた者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。
()内の条文が除外規定になります。

“アルコール検知器を用いて確認を行うこと。”の規定の施行は延期されており、
この記事を掲載した時点では目視による確認のみが義務付けられています。

一般貨物自動車運送事業者(運送業者)が運転者に対して実施する点呼はアルコール検知器を使用して行う事になっていますので、自家用使用の際でも運転者に対して通常の点呼を行うことは
道路交通法で求められているアルコールチェックの義務を遵守することになります。

自家用使用の場合でも点呼を実施する事はコンプライアンス面でも必要と言えるでしょう。

運送業の許可申請・認可申請・届出・法令試験対策・巡回指導、監査対応は
水澤行政書士事務所にご相談下さい!

各種指定申請や許認可、法人設立後の事などご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

関連記事

乗務員(運転者)への指導教育について(4)

続きを読む